【説得・共感】『あなたの話はなぜ「通じない」のか』から学んだ、「話が通じない」と悩む人が知っておきたい"6つ"のポイント | 鹿田尚樹の「読むが価値」

2010年05月19日

【説得・共感】『あなたの話はなぜ「通じない」のか』から学んだ、「話が通じない」と悩む人が知っておきたい"6つ"のポイント

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『あなたの話はなぜ「通じない」のか』山田ズーニー・著

あなたの話はなぜ「通じない」のか?

たとえば…

1. ついに宇宙とコンタクト by 日本経済新聞
2. ついに宇宙とコンタクト by 東京スポーツ


「ついに宇宙とコンタクト」というメッセージが上の2つの媒体に出ていたら、みなさんはどちらを信じますか?

ちなみに、私は「日本経済新聞」のメッセージなら信じるかもしれません。が、「東京スポーツ」なら、間違いなく信じないでしょう(笑)

実は今日紹介するこの『あなたの話はなぜ「通じない」のか』の中でも紹介されている事例ですが、著者の山田ズーニーさんは、こう記述されています。
●あなたのメディア力は信頼されているか?

「何を言うか」よりも、「誰が言うか」が雄弁な時がある。例えば、同じニュースでも、どのメディアが言うかでグッと印象は変わる。

1. ついに宇宙とコンタクト(日本経済新聞)
2. ついに宇宙とコンタクト(東京スポーツ)

上の2つは同じことを言っている。でも違う意味に見えてしまう。同じことでもあなたが言うのと別の人が言うのでは、与える印象がまるで違う。人間もメッセージを伝えるメディアだとすれば、あなたは相手からどんな風に見られているだろうか?>
あなたを「信頼のおける人だ」と思っている相手なら、少々言葉が足りなくても通じる。話が通じるためには、日ごろから人との関わりあいの中で、自分というメディアの信頼性を高めていく必要がある。

ここだけ読んでも「伝えること」について、目の前が開けた感じがしてきませんか?

最近話題のツイッターでは、いかに影響力のあるメッセージを発信するか?というテーマや、フォロワーを増やすか?というテーマで語られることが多いですが、「何を語るか」ということは実はそれほど大事ではなくて、「誰が語るか」という発信者の"メディア力"がメッセージや影響力の決め手になっているのでは?と気がついたりもします。

普段、ブログや講演などで「書く、話す」の伝える機会が多い私ですが、目から鱗だらけの一冊でした。なぜ、今まで読んでいなかったのか、読む機会がなかったのか、ちょっと惜しい気持ちが生まれる。。。そんな、私に必要な、そして読みたかった一冊です。

「話が通じない」と悩む人が、知っておきたい6つのポイント



1. 「意見となぜ」は、論理的なコミュニケーションの大原則
「論理が苦手」という人も難しく考える必要はない。必要なのはこれだけだ。
つまり、自分が一番言いたいこと(=意見)をはっきりさせ、なぜそう言えるのか(=理由)を筋道立てて説明して行く。ゴールは相手に「なるほど」と思ってもらうこと、つまり「説得」だ。

「論理=意見+理由(なぜ)」という方程式だけを覚えて使えば、誰でも論理的に話せるという秘訣。この理由が相手に腹落ちすれば「納得」となるわけですね。

2. 自分のメディア力を高める
同じことでもあなたが言うのと別の人が言うのでは、与える印象がまるで違う。話が通じるためには、日ごろから人との関わりあいの中で、自分というメディアの信頼性を高めていく必要がある。

東京スポーツと日経新聞ではありませんが、「何を言うか」よりも「誰が言うか」です。もし自分のメディア力を高めたいと思ったら…
日ごろの立ち振る舞い、ファッション、表情。人との接し方、周囲への貢献度、実績。何を目指し、どう生きているか、それをどう伝えているか?それら全ての積み重ねが、周囲の人の中にあなたの印象を形作り、評判を作り、ふたたび、「メディア力」として、あなたに舞い戻ってくる。動きやすくするも、動きにくくするも、自分次第だ。

本書に書かれている通り、日頃からの言動が「自分のメディア力」に直結すると考えると、日々の行動で何をすべきか見つかるかもしれません。

3. 『決め』が論理を育てる
自分の「決め」を撃ち出すことには、常に反発のリスクが伴なう。「決め」を撃ち出すとは、その空気を、独自の問いで角度をつけて切り取ることだ。当然、自分が切り取れるものより、残りの空気の方が大きい。賞賛されるのか、反発を食うのか、切り取って打ち出してみないとわからない。

決めとは、自分の視点で物事を切り取ることです。人を説得するには「決め」が重要だと本書に書かれていますが、その決めを有効活用する5つのポイントがあります。

1. 論点を決める
2. 自分の意見を打ち出す
3. 根拠を決める
4. 話の構成を決める
5. 人を決め、時間を決め、お金を決める


詳しくは本書を読んで頂くと分かりますが、人を説得するには「決め」と「問い」が重要だということに、ひらすら目から鱗の私です。。。

4. 正論では人は動かない
正論はなぜ、人を動かさないのか?
人に何か正しいことを教えようとするなら「どういう関係性の中で言うか?」を考えぬくことだ。それは、正論を言うとき、自分の目線は、必ず相手より高くなっているからだ。教えようとする人間を、好きになれない。相手の目線が自分より高いからだ。では、学校で、生徒はしょっちゅう腹を立てているかというとそうではない。それは「教えてください」という生徒がいて、互いの合意の上で上下関係が出来ているからだ。望んでもいない相手に、正論を振りかざすのは、道行く人の首根っこを捕まえるような暴威だ。言葉は、関係性の中で、相手の感情に届く。

相手に「上から目線」では、決して伝わらない、動かないということです。私もこれでしょっちゅう失敗しているわけですが…(汗)相手との関係性、つまり視点・立場を客観的に見られるかどうかが、通じるかどうかの分かれ目になりそうですね。

5. 相手の発信にリアクションをする
人の発信には100%、心を込めた早めのリアクションをする。これをずっと続けるだけで、周囲のあなたへの理解は増す。受け止めて、理解して、リアクションの達人になるのだ。
人の発信を理解するというのは、受身で、自己発信と逆なような気がする。ところがそうではない。リアクションには、自分の理解力はもちろんのこと、知識や経験、思考力、仕事観などが表れる。

これを読んで「出川哲朗って、すげぇんだ!」(呼び捨てですみません!)って、心の底から感動しました。以前、中谷彰宏さんとお話したときに…「島田紳助よりも、出川哲朗の方が凄い。冠番組もなく、20年間一線で活躍できるというのが本当のプロ」という主旨のことを聞いたことを思い出しました。

リアクションって、ワンランク上の自己発信なんですね。

6. 伝えることに一貫性(つながり)を持たせる
●初めて人から信頼される条件
ポイントは「つながり」だ。過去から現在そして未来へと続く時間の中で、あなたの連続性が感じられること。人や社会とのつながりが見えること。

ここでアルピニストの野口健さんのお話が出てきましたが、大学入試で周りのみんなが「過去の実績」を話している時に、野口さんだけは「過去」から「未来」へのつながりを話したそうです。

いつまでに、どの山を登頂するという「未来」を語ること、それを過去の自分から「つながり」を持たせること。これで野口さんの思いは、面接官の心に深く伝わったそうです。その後に出てくる、自己紹介をするときに役立つ「つながりの作り方」という点も、目から鱗のポイントでした。

まとめ



あなたの話はなぜ「通じない」のか?という「問い」に対して、本書から発見した6つのポイントを紹介してみました。

この本は随分前から発売されていたのですが、なぜか縁がなく、これまで読む機会がありませんでした。先日、教えてくださった筑摩書房の方には本当に感謝感謝です(涙)

「自分をブランド化する」「自己発信の時代」と言われますが、ネットというメディアを使うときに「文章」「言葉」、そして実際にあったときには「会話」ということで、「伝える」ということ無しに「ブランド人」も「自己発信で自己実現」も難しい時代です。逆に言えば、「伝える」ことさえできれば、ネットの特性と恩恵を十分に受けることができるということですよね。

もう読んだ方には「いまさらかよ!」と言われそうですが、ネットを通じて活動する人にとっては必読の一冊(特に、私にとって必読なんですけど…笑)。

社内で「私の意見がなかなか通らない」という悩みや、「なかなか通じないな」という人にとっても、この一冊で先が開けることが多いと思うので、ぜひ読んでみては?

はい、本当に最高傑作級の一冊でした。
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